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『冬眠族の棲む穴』/標野 凪

冬ごもりをしてみたい。

クマのように暗いほら穴で、あったかくなるまでずぅっと寝ていたいと思うし、
リスみたいに秋の内に好きな食べ物をいっぱいおうちにため込んでおいて、お外さむいなぁと外を見ながらポリポリ食べていたい気持ちもある。

とはいえど私は大人の人間なので、そんなことは許されない。

どんなに寒くてもちゃんと働かないといけないし、毎日ご飯を作らないといけない。(とはいいつつ作らない日もある)
来世は冬眠が許される動物に生まれたいと平日の朝はよく願っている。

最近はJRも運休することがなくて、合法的にずる休みできなくてげんなりすることも多い。


そんな中、書店で出会ったこの本。
人でも冬ごもりが許される気がして、思わず手に取ってしまったのだ。
そして晴れて『冬眠族』の一員となった。

私は読む本をシチュエーション別に変える。
これは電車の中で読む本。これは料理のスキマ時間に読む本。これはカフェで読む本。といった具合に。
その中でこの本は、ベッドで毛布にくるまってココアを飲みながら読む本に任命した。
さらにはお腹の上にネコを乗せて、ぬくぬくで読んだら、どんなに気持ちが良いんだろう。

そんな思いを馳せて、そのためだけに1日を空けたのだ。

どんな時間を過ごしたかは、同じ時を過ごした人のお楽しみ。
あなたも立派な『冬眠族』になることでしょう。


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